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断熱について
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「幸せになる住まい」の匠 石ヶ谷英明(1級建築士)です。
今日は、「断熱」についてお話したいと思います。
断熱とは、住宅の内外間で起こる熱の移動を防ぎ、室内の温度をできるだけ
一定に保つための工夫です。
今日の住宅では、外部に面する壁に断熱材を使用するのがほぼ常識となりました。
そもそも断熱の「熱」とはなんなのでしょうか。
熱とは移動するものです。
あちらからこちらへ運ばれていきます。
熱とは、物質を構成する分子の状態をいいます。
分子が激しく運動したり振動したりすれば高温
おとなしくしていれば低温です。
激しく動き回る分子はおとなしい分子にぶつかって次々とその勢いを伝えます。
これが、熱の移動です。
ということは、分子間の距離が小さい(密集している)ほど熱は早く伝わり
大きいほど遅く伝わります。
物質の三態で比べると、固体は分子間距離が小さく、気体は大きい。
空気をはじめとする気体が「断熱材」として使用されるのはこのためです。
断熱とは、熱の遮断でなく熱の移動を遅くすることです。
電子が自由に動く金属は、固体の中でも特に熱を早く伝えます。
分子のない真空は、熱を伝えません。
木造住宅の壁の中に断熱材を入れるのは、「空気を動かさない(対流させない)ため」です。
自由に動ける気体は、対流を起こしてセッセと熱を運んでしまいます。
断熱材の目的は、「気体を動かさないこと」です。